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AnyMind Group

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AnyMindが進める「AIワークフロー導入」の取り組み

AI-Native Companyに向けたワークフローの再構築、そのポイントとは?

AnyMind Groupは現在、全ての事業領域と組織にAIを組み込み、アジアを代表する「AI-Native Company」への変革を加速させています。社員一人ひとりがAIを前提に業務プロセスやプロダクト、人材の役割を再設計することで、「1年で生産性を2倍にする」という目標に挑戦しています。
今回は、AIを最大限に活用することを前提とした「ワークフローの再構築」をテーマに、現在進めている取り組みと、その課題解決策や優位性について紹介します。


1. AIと人の共創を実現する、業務自動化のためのステップ

AI活用による業務自動化への進化は、大きく3つのフェーズに分けて捉えることができます。



■フェーズ1:ツールの進化(単一作業の効率化)
AIを「ツール」として使い、個別の業務における作業時間や工数を削減する段階です。限定的なタスク、反復業務を効率化していきます。業務プロセス全体には影響せず、局所的な改善にとどまります。

■フェーズ2:ワークフロー再構築(業務の再設計)
業務プロセス全体を見直し、複数のタスクやシステムを繋いでワークフロー自体を再設計します。部分最適の寄せ集めではなく、ゼロベースで業務フローを組み替えることで、大幅な効率化やスピード向上を実現する段階、すなわちAI前提で、既存の業務フローそのものを再構築する取り組みです。

■フェーズ3:インテリジェント化(AIの自律運用・人との共創)
AIがエージェントとして自律的に業務オペレーションを行い、リアルタイムに運用されることで、人はマネジメントや新規事業開発など創造的な業務に集中することで、AIと人の対話による共創が最適化されたAI-Nativeな組織が実現します。

多くの企業では、フェーズ1におけるAIのツールとしての業務利用は加速していますが、フェーズ2以降での、AIのエージェント活用と共創への本格移行に課題を抱えています。

実際に、生成AIや大規模言語モデルの進化によってAI活用の機運が高まる一方で、専門人材の不足やデータ基盤の不備、既存システムとの連携難などからPoC(概念実証)の段階で止まり、定常運用に至れていないケースが見受けられます。

また、全社的にAIを定着・自走させるには、フェーズ2以降のワークフロー再構築に向けて、高度なプロジェクトの包括的な設計と推進力が不可欠です。


2. ワークフロー再構築に向けた取り組みのポイント

では、フェーズ2以降の取り組みをどのように進め、AIワークフローを実現していくのか。AnyMindでは、次の3つのポイントを重視して取り組んでいます。



まず、KPIの明確化とトラッキングです。

生産性向上の成果を定量的に測定し、高い目標(KPI)を再設定することで、メンバーの継続的なパフォーマンス発揮につながる動機づけとなります。

私たちは、グローバル全拠点・全事業を対象に、日常業務のワークフローを詳細かつ網羅的に洗い出しました。その数は13,000にも上ります。これらのタスクをAI App Studioチームが分析し、各取り組み項目ごとに、改善による削減効果を算定しKPIを設定しました。継続的なトラッキングとフィードバックを通じて、目標達成に向けた推進を行っています。

私たちが「1年で生産性2倍」の実現に向けて設定している主なKPIは、以下のとおりです。

・工数削減:どれだけ人的リソースが削減できたか(例:月間〇時間削減)
・自動化率 / 自動処理件数:全体業務のうちAIが担う業務の割合(例:〇%が自動化済み)
・コスト削減:外注費・人件費の具体的な削減額(例:年間〇万円削減)
など

次に、リソースの再配置と進捗管理です。

AI活用によって削減できた業務時間や人員は、新規プロジェクトや創造的業務へ適切に再投入します。

単純作業や定型的なオペレーションは、AIエージェントが大量かつリアルタイムに処理し、生産性の維持・向上を実現します。また、マーケティングのアイデア出しやデザイン制作といったクリエイティブ業務においても、AIが考察やドラフト案の作成を担い、専門性を持った人が仕上げを行うことで、より高い生産性を実現できます。これにより、人のリソースは、AIとの共創を前提とした業務設計や戦略立案、新規事業開発、クリエイティブディレクションなど、より高付加価値な領域へとシフトさせています。

各事業において、削減された時間と創出されたリソースを、「どのような付加価値業務に投下すべきか」を明確に定義し、取り組みを進めています。AIの活用による変革は、単なる業務効率化やコスト削減にとどまらず「次の成長のために、何に投資するべきか」という、組織全体の新しい価値創出の構想と最適化が一体となっていることが非常に重要です。

最後に、ビジョンの共有・浸透も欠かせません。

生産性向上の先に「何を目指すのか」という大きなビジョン(例えば「更なる顧客価値の創出」や「グローバル競争力の強化」など)を社内で共有し、余力が生まれた分を建設的な挑戦に充てる文化を育みます。

AI活用を一時的なアナウンスや限られた担当者の取り組みにとどめるのではなく、経営層からマネージャー、現場スタッフに至るまで、日常的に語られ、実践されるような風土を醸成することが最も重要です。

具体的には、グローバル全体でのAI活用の優れたプラクティスを表彰するプログラムの実施や、各国・事業での責任者を通じた情報共有、主要なミーティングでの進捗管理の徹底を行っています。

また、CEOやCFOをはじめ、各国のカントリーマネージャーを含むグループ経営陣が毎週ミーティングを行い、自らが主体的に取り組みを推進しています。こうした経営層の主体的関与こそが、この変革を実現するうえで極めて重要だと考えています。

私たちグループは、世界15の国と地域、24拠点にまたがり、複数の事業を展開するマトリクス構造の複雑な事業体です。そのため、AIワークフローの策定・導入には高い難易度が伴い、高度な実践力が求められます。こうしたチャレンジを通じて培ってきた、私たちならではの現場に根ざしたリアルな知見や実践的なノウハウ、そして独自のソリューションを、今後はより多くのクライアント企業に提供し、その成長と変革を力強く支援してまいります。


3. クライアント支援への展開:AnyAI Workflowの提供

今年、私たちはクライアント企業の業務自動化を支援するための新ソリューション「AnyAI Workflow」の提供を開始しました。

自社で培ったAIエージェント開発や業務変革のノウハウを基に、DX推進とAI活用に特化した専門チームが導入から運用定着まで伴走するサービスです。

データ&AI統合プラットフォーム「AnyAI」を中核に、グローバル展開するテクノロジー基盤と各国の現場オペレーション力を組み合わせることで、企業の生産性向上と迅速な意思決定を実現する業務の自動運転化を後押しします。

「AnyAI Workflow」では、AIエージェント導入プロジェクトを成功に導くために必要な一連のステップをワンストップで支援します。具体的な支援内容は次の通りです。

・プロジェクトマネジメント:AI導入プロジェクト全体の進行管理やスケジュール策定、リソース調達を一貫して担当し、関連部署との調整やリスク管理を行います。専門チームによる的確なマネジメントで、スムーズな導入推進を実現します。

・業務フロー設計・要件定義:現状の業務プロセスを可視化し、AI導入の効果が高い領域を特定します。想定される効果を試算した上で必要な機能やデータ要件を整理し、導入計画を立案します。

・システム開発・データ基盤構築:AIエージェント用のクラウド基盤を構築し、データの整理・蓄積環境を整備します。既存システムや外部ツールともAPI連携させ、リアルタイムでデータが活用できる仕組みを実現します。

・AIエージェント設計・開発:目的に応じて適切なAI技術(大規模言語モデル、機械学習、RPA等)を組み合わせてエージェントを設計・開発します。具体的な業務ロジックやUIも開発し、現場で使いやすい形に最適化します。

・業務プロセス変革と運用支援:AI導入後の新しい業務フローを再設計し、人とAIが協働する体制を構築します。運用ガイドラインや組織体制の見直しも含め、現場にAI活用が定着するまで継続支援します。

・トレーニングとリテラシー向上支援:利用者や管理者に対して操作方法やノウハウのトレーニングを実施し、社内のAIリテラシーを底上げします。自律的な改善サイクルを回せるよう、ワークショップなども開催します。

・成果モニタリングと継続改善:導入後の効果測定やROI分析を行い、結果に基づいて機能追加やチューニングを実施します。この継続的PDCAにより、導入効果の最大化と長期的な価値提供を図ります。

このように「AnyAI Workflow」は、単なるツールの提供に留まらず、ビジネスプロセスそのものの変革から人材育成、効果検証までを網羅した包括支援を特徴としています。私たちが持つテクノロジーと現場力を融合し、各社ごとの環境に最適化したオーダーメイド型のAI活用推進を実現することで、クライアント企業の生産性向上と競争力強化に貢献しています。


4.実践とスピードで社会に価値を届ける ~Move Faster

AIの進化は日進月歩であり、企業にとって「そのスピードに適応できるかどうか」が競争力の分かれ目となっています。だからこそ私たちは、技術トレンドを「知る」だけでなく、いかに早くキャッチアップし、自社のノウハウやアセットと組み合わせ、「自らの実践を通じて実用化すること」に重点を置いています。これは単なる業務効率化ではなく、未来の働き方やサービス価値を形づくるための挑戦でもあります。

AnyMindでは、社内での先行実装を通じて得た知見を、クライアント企業にも提供し、業務改善や事業成長の加速に貢献していきます。こうした取り組みは、私たちが掲げる5つのバリューのひとつ、“Move Faster”──変化を恐れず、常に速く行動し、前進し続ける姿勢の体現そのものです。

今後もAnyMindは、進化を止めることなく、AIと共に働く組織の最前線を走りながら、社会とクライアントに新たな価値を届けてまいります。

📩AI活用支援に関する資料請求・ご相談はこちら
URL:https://anyai.jp/ja/contact/

【関連リンク】
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